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7月2日、大阪うつ病学会市民講座にて 音無美紀子さんのお話
2011/07/19(Tue)
S 会場全体

7月2日のうつ病学会市民講演では、女優の音無美紀子さんが ご自身のうつ病になってしまったきっかけと、
それからの回復までの道のりと、今 感じていらっしゃる事を20分と言う短い時間でしたが、話して下さいました。

音無さんの次が、私が話をさせて頂く順番が次だったので、
落ち着いて伺う事ができないと思っていましたが、
お話がとても共感できる点が多く、自分の順番を忘れて聞き入ってしまいました。


今 うつ回復中の方や、ご家族の方、そして 
仕事と家事を両立させて頑張っていらっしゃる多くの女性の皆さんにも 知っていて欲しい内容だったので、
私のメモを元に 長くなりましたが まとめてみました。


S 音無さん 横1

音無さんは、38歳の時に乳がんになり、手術を受けたら その後仕事ができるだろうか?と心配もあったそうですが、  
幼稚園生の娘さんと まだまだ小さな息子さんをおいては死ねない、子供たちのために生きなければ、と
手術を受け、入院中のリハビリも 看護師さんがもうそれで充分と言っても、退院したら すぐにいろんな事が
できるように、と頑張っていらしたそうです。

退院してみると、抗がん剤を飲まなければならないし、その副作用もあるし、
何でもできると思っていたけれど、実際にはあれもできない、これもできないと
出来ない事ばかりが気になり、そして 今後の恐怖も感じていらしたのだそうです。


手術のための入院も お仕事がら、偽名を使って音無さんだと判らないようにしていたので、
退院してからも 情報交換したり 気持ちを分かち合える人がいなかった上、
家族にも、もう大丈夫!と 言っていたので、
自分の本当の気持ちを伝える事ができなくて、その半年後、頑張って一杯一杯の状態だったのが、
ポキッと折れたようになってしまった、と伺いました。

これの話を伺って、自分の事のように良く判ると思いました。
きっとこのブログを読んで下さっている皆さんの中にも 同じように感じる方がいらっしゃるのではないでしょうか?


音無さんは、 それからは、
眠れなくなり、お隣のピアノの音が大音響のように聞こえ、食べても美味しく感じられない、
得意な料理が作れない、などの症状が出てきて、一体どうしたのだろう?
病気なのか、自分が弱いのか?と 悩まれたと伺いました。


音無さんの様子をご覧になって、ご主人の村井国夫さんは、精神科を受診する事を勧めたそうですが、
これは、音無さん自身の心の問題で、病院に行って医師が治すような病気ではないと思って
病院へは行かなかったそうです。

自分の弱さが原因だ、と思ったのだそうです。

もう生きていたくない。
子供も愛おしく感じられない。
体が鉛のように重く感じられる。


この頃は、夜眠れないので、家族四人で一緒に眠る様になって、
生きていたくない、ともらす 音無さんの手をご主人はずっと握っていてくれたそうです。


それでも、死なせて欲しい、という音無さんに ご主人は、
5年生きてみようよ、そうしたら子供たちは 中学生と小学生になるんだよ、育児を楽しもうよ、と 先の楽しみを見出せるように話をしてくれたそうです。

頑張って生きてみる、とその気になっても、

数日すると、それでも やっぱりダメ!だと言う日が来て、
「君がいなかったら、僕もいないよ。」
「三年頑張ってみようよ。」

三年なら頑張れそうだと、自分に言い聞かせ、また頑張ってみても、
やっぱりダメだと言う日がまたやって来ると、
今度は、ご主人は、「判った、1年でいいよ。 
その間に育児を覚えるから、その間に1から10まで教えてほしい。」と 言ってくれた時に、
1年ならどうにか頑張れそう、頑張ってみよう、とようやく思えたそうです。


その頃、
それまでは、乳がんの傷を見られたくなくて、子供さんとお風呂に入っていなかったそうですが、ご主人がいない日に、覚悟をして子供さん達とお風呂に入った日があったそうです。

小学校1年生の娘さんが、傷を見てはいけないと思ったのか、音無さんの顔をずっと見ていたそうです。

そんな娘さんの気づかいが嬉しくて、思わず泣いてしまったら、
「オッパイは、また生えてくるから大丈夫!」と、
娘さんの乳歯が抜けた時に、周りの人から言われると同じように、
音無さんに向かって言ってくれた時に、

この子を残しては死ねない、どうしても生きて行かなければ、と心から思えたのだそうです。
お話を伺って、音無さんの回復には、これがとても大きなきっかけとなったように 感じました。


でも、その後も 一直線に良くなられた訳ではなかったそうですが、
こんな事もあって、少しずつ ご自身が変わって行ったのだそうです。

娘さんから、お友達のお母さんは、いつも笑顔でいるのに、
ママはどうして笑わないの? ママも笑って。と言われた日があったそうです。

その日まで、鏡すら見る事がなかったのに、娘さんのために いい笑顔ができるようになろうと練習を始めたのだそうです。


S S 音無さん 笑顔2
娘さんが、ママ、可愛い!と言ってくれて、と嬉しそうに話して下さった時の音無さん。



そうしたら、今度は、口紅もつけてみようかな、と思えるようになって、つけてみると、
また娘さんが、 ママ、可愛い! とっても似合うわよ、と褒めてくれて、

だんだんと、美容院に行ってみようかな、おしゃれをしてみようかな、と言う気分に
なって行ったのだと伺いました。

夏休みになって、
一緒にお料理を作ってみたいと言う娘さんのリクエストに、
目玉焼きを一緒に作る事になった日があったそうです。
卵がきれいに割れるかどうかさえ 自信がなくなっていたのに、
その卵がちょうど きれいに割れて、美味しい目玉焼きが出来て、
その日の事を、ママとお料理をしました、と娘さんが絵日記に描けた事が嬉しかった。

そして おむすびを握ると、娘さんは三角にはにぎれないのに、
音無さんがきれいな三角のおむすびを 握ると、ママは凄い!と褒めてくれたのだそうです。



こうやって小さな喜びがあって、一歩一歩、良くなって行って、今の健康な音無さんに
回復なさったのだそうです。

死にたい、生きていても仕方ないと思った事があったけれど、
あの時、死ななくて良かった!と ここまで来られました、と素晴らしい笑顔で聞かせて下さいました。

回復なさった方は、皆さん、あの時死ななくて良かった、諦めなくて良かった、と
おっしゃいます。
私も、今振り返ると、本当に諦めなかったから、こうしていられるんだな、と思います。 
音無さんのお話を伺って とても共感しました。


家族がいてくれて本当に有難かった。
生きると言う事が どんなに素晴らしい事か、
生き抜くと言う事が どんなに誇りか、と 聞かせて下さいました。

世の中には うつへの 深い理解がまだ足りないし、偏見もあるけれど、
一人でも多くの方に、うつ、うつ病の事を理解してもらって、
今 うつで悩んでいる多くの方々を支えられるような 社会になったらいいと思うと、
最後に話していらっしゃいました。


現在の穏やかな笑顔の音無さんからは 死にたいと何度も思ったと言う事が
想像できませんが、
その当時の音無さんが どんなに辛い気持ちでいらっしゃったか、お話を伺ってとても良く判りました。


講演会が始まる前の 控室での打ち合わせの時は、
さすがの音無さんも、緊張なさっていらっしゃる様子で、ご挨拶しかできませんでしたが、 
講演会が終わった後は、気さくに写真を撮りましょうと声をかけて下さったり、
テレビで拝見する、とても柔らかな優しい雰囲気で、ますますファンになりました。

お別れする時に、夫と私に向かって、再発にはお互いに気をつけましょうよね、と
声をかけて下さって、お互いに笑い合いました。

音無さんにも 大変な経験を越えていらした強さが感じられて、
その大変な日々を 今に活かして生きていらっしゃるのだな、と感じました。

これを読んで下さった方の中には、
音無さんの話が、出来すぎ、そんな夢みたいな事がある訳ない、と思う、うつ回復中の方がたくさんいらっしゃるかと思います。


決して夢ではないと思います。



うつが良くなって、回復なさった方々には、その人数だけの 良くなって行ったそのきっかけがあったはずです。



そのきっかけに早く出逢うためにも、 こんな辛さは誰にも判らない、と言ってしまわずに、家族や、
周りの人たちの力も借りて、音無さんのおっしゃっていらした小さな一歩一歩を大切に 「今日」を送って頂きたいなと お話を伺いながら思いました。

最後に余談になりますが、
音無さんの手は とても素敵なダイヤの指輪が光っていて、爪もきれいで、さすが女優さんだと思いましたが、
ご家族のためにお食事を作ったり、家事もなさっていらっしゃる手だとも 隣に座っていてお見受けしました。

家族がいて良かった、と思ったと話していらっしゃいましたが、
そのご家族との生活をとても大切に今生きていらっしゃる様子が、
短い時間でしたが、ご一緒させて頂いて とても伝わって来ました。

私の一生で 音無さんのお隣に約2時間も居るなんて、本当に思った事もないことでしたが、
女優としてのオーラと、ご家族を大切になさっている人生の先輩としての一面を間近に感じる事のできた
貴重な体験でした。




いつか音無さんを みなとにお招きして、お話にして下さる機会を持てたらこんなに嬉しい事はありません。
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